判例とは?

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法律は条文を暗記するもの?

資格所得のために法律を勉強し始めようという方で

まず何から勉強し始めたらよいのか分からない

法律の条文を覚えるんじゃないの?

という方も多いのではないでしょうか?私もそう考えていた一人でした。

確かに、ドラマなどでは「あなたは刑法〇〇条、△△法違反だ!」

のような言い回しをしているので、あの分厚い六法全書を暗記したらいいのかな?

と漠然と考えてしまうんですよね。

しかし私も含めた、法律に関する資格取得を目指す皆さんが覚えるべきなのは

法律の条文ではありません。

(もちろん例外として〇〇月以内、□□歳以上など覚えなければいけないものもあります。特に行政法にはこの類が多いです。)

判例とはなにか

では、何を勉強したらいいのか?と感じると思いますが、

答えはずばり判例です。

ここから判例とはなんなのかについて解説していきます。

判例とは裁判所が過去に出した判決

ここで皆さんに考えてみていただきたいのですが、

裁判所、特に最高裁判所の役割とはなんでしょうか?

法律に基づいて刑罰を決めることでしょうか?誰かの争いを解決することでしょうか?

確かにその通りなのですが、それはあくまで結果であって重要なのは

その過程における「法解釈」です。

法律は完ぺきではない

ここで1つ例を挙げてみましょう。

皆さんは「傷害罪」ということばを聞いたことがありますよね?

刑法 第二四条 人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

と刑法に定められた罪です。条文はいたってシンプルですよね?

この他に、かっこ書きで何か補足がついているわけではありません。本当にこれだけです。

ここで問題になってくるのがまず、「傷害」とは何なのか?ということです。

条文には「人の身体を傷害した者」としか書かれていませんから、

他人の髪の毛を無理やり切った場合は傷害になる?
意識的に他人に病気を移した場合(性病など)は傷害になる?

という疑問も生じてきますよね。

日常でおこる問題には、ありとあらゆる種類のものがあります。

そのすべての場合において、あらかじめ法律で定めるのは到底不可能です。

そのため、その法律が定められた目的や背景を考慮して、その法を適用するのか否か。

それを判断するのが裁判所の役割ということです。

最高裁判所の判例

とくに最高裁判所は日本の司法の最高機関であり、最高裁の判断が日本の司法の最終判断となります

したがって、最高裁の判例はありとあらゆる機関、裁判などで大いに参考にされます。

そのため、最高裁の判断(判例)はなかなか覆らないという面もあります。

特に行政はその判断をもとに業務が行われますから、判断がコロコロ変わっては社会に大きな影響や混乱を及ぼしてしまいますよね。

また憲法に関して、違憲審査権を持つのは最高裁判所のみであり「憲法の番人」と呼ばれる。
ということを中学校で学習した記憶のある方もいらっしゃるのではないでしょうか?

まとめ

判例とは過去に裁判所が出した判決のことであり、世の中の多くの機関がそれを参考に業務を行っています。

これから学習していくうえで重要なのは、条文だけでなく判例だ、ということがわかっていただけたでしょうか?条文を覚えただけでは、業務上おこる様々な事態に対応できないということですね。

また、これはひとつのアドバイスですが、判例を調べると判決文の主文だけでなく、理由を見ることもできます。なぜそのような判断に至ったのかを理解すると、より判例が覚えやすくなると思います。

これからたくさんの重要判例を分かりやすく解説していきたいと思います。

どうか暖かくご覧いただければ幸いです。

おまけ

先に出した傷害に関する2つの疑問に対する判例の答えです

他人の髪の毛を切る行為は傷害にあたるのか?に対する裁判所の答えはYESとNOです。
え?と思った方もいらっしゃるかもしれませんね。
傷害とは、他人の身体の生活機能の毀損、つまり健康状態の不良な変更を起こすものだから
髪を切る行為はそれに当たらないという判決が明治45.6.20に最高裁から出ています。
その一方で、人の身体の完全性を害することとなるため傷害罪を適用するという判決が
昭和38.3.23に東京地裁
から出ています。

このように、時代や状況、採用する学説によって判決が異なることもままあります。
行政書士や司法書士等の資格試験において、ここまでの知識は不要だと思いますが、実際に調べると
面白いですよね!

2つ目の、意識して他人に病気を移そうとする行為ですが
これには傷害罪が適用されています

他人の身体の生理的機能を毀損するものである以上、手段は問わない。という判決が
昭和27.6.6に最高裁から出ています。

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